トップ お役立ち情報 医療器具の洗浄工程と洗浄方法とは? 安全と品質を守るために必要な基本知識
メディカル物流 2025年11月12日
医療器具の洗浄工程と洗浄方法とは? 安全と品質を守るために必要な基本知識

医療器具は、わずかな汚れでも感染や不具合の原因になり得ます。だからこそ、洗浄は滅菌の前提条件といえます。

本記事では、医療器具洗浄の代表的な工程や方法をわかりやすく整理し、さらに洗浄を確実に実施するための管理体制や事例も紹介します。

 

 

 医療器具の洗浄とは?

医療器具の洗浄とは、使用や製造の過程で付着した血液・体液・薬剤・油脂・微生物などの汚れを除去する工程のことです。

この工程は、滅菌の前段階であり、感染を防ぐ最重要ステップといえます。

洗浄が不十分だと滅菌効果そのものが低下し、汚染や異物が残った状態で患者様に使用される危険性もあります。

そのため、医療機関やメーカーでは、洗浄を標準手順(SOP)化し、誰が行っても同じ品質を保てる体制が求められます。

 

 

 医療器具の洗浄工程

洗浄の基本工程は、以下の5ステップです。器具の材質や汚染の種類に応じて、これらの方法を組み合わせて実施します。

  1. 予備洗浄:流水や温水で表面の血液や薬剤を除去し、大きな汚れを落とします。
  2. 本洗浄:酵素洗浄液や中性洗剤を使用し、タンパク質や油脂を分解。必要に応じて超音波洗浄機を併用します。
  3. すすぎ:洗剤や汚染物の残留を防ぐため、純水や滅菌水で十分にすすぎます。
  4. 乾燥:温風や真空乾燥で完全に水分を除去。水分が残ると腐食や微生物繁殖の原因となります。
  5. 検査:目視での汚れ確認や作動試験を行い、必要に応じて残留タンパク質検査を実施します。

この流れを確実に実施することで、再使用時も安全で衛生的な状態を維持できます。

 

 

主な洗浄方法の種類と特徴

■酵素洗浄
血液やタンパク質など有機汚染を化学的に分解。低温でも高い効果を発揮し、金属・樹脂など幅広い素材に対応できます。

■超音波洗浄
水中で発生する微細な気泡(キャビテーション)によって、複雑な形状や細部の汚れを除去します。構造の複雑な器具に特に有効です。

■自動洗浄機(ウォッシャーディスインフェクター)
洗剤・温度・噴射圧・時間を自動制御し、洗浄品質を標準化。大量の器具を安定して処理できるため、医療機関やメーカーで広く採用されています。

■手洗浄(ブラッシング)
自動化が難しい器具や微細部分の清掃に適用。洗浄手順やブラシの材質を統一し、人による差を最小限にします。

■仕上げの純水リンス
最後に純水でリンスを行うことで、イオンや洗剤残留物の付着を防ぎ、滅菌効率を高めます。

 

 

 洗浄が不十分な場合に起こるリスク

医療器具の洗浄が不完全だと、以下のような問題が発生します。

  • 感染リスクの増加:残留血液や微生物による感染の恐れ。
  • 性能低下・誤作動:洗剤や異物の残留が器具の作動不良を引き起こす。
  • 滅菌不良:汚れがあると滅菌効果が十分に発揮されない。
  • 信頼性の低下:品質保証が崩れ、メーカー・医療機関双方の信用に影響。

洗浄は”見た目をきれいにする”作業ではなく、品質保証の第一段階です。

 

 

 使用済み医療器具の再処理工程

洗浄は、医療機関で使用された後の器具に必要です。

貸出医療機器や再利用される機器は、回収後に専用設備で再洗浄・検査を行い、再び安全な状態に戻して次の現場へ出荷されます。

 

 

 株式会社宮岡の洗浄・保管・配送体制

こうした洗浄から配送までの一貫した品質管理を実現するには、専門的な設備と体制が不可欠です。

株式会社宮岡では、医療機器メーカーや医療機関と連携し、洗浄・検査・保管・配送を一貫して行う体制を整えています。

  •  クラス100,000(ISO Class 8相当)のクリーンルーム環境で検品・梱包を実施
  • 専用洗浄エリアと洗浄装置の完備
  • 温湿度・粒子数の管理による保管品質の安定化

製造から再出荷まで、医療器具の清浄度を”つなぐ”品質保証体制を実現しています。

 

 

まとめ

医療器具の洗浄は、滅菌や再利用の前提となる欠かせない工程です。

洗浄の正しい方法と管理体制を整えることが、最終的に患者様の安全と製品の信頼性を守ることにつながります。

宮岡は、洗浄・梱包・保管・配送を通して医療器具の清浄度を維持し、医療現場へ”確かな品質”を届けるパートナーとしてサポートしています。

洗浄や保管体制の構築でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

宮岡メディカル物流特設サイト

 

株式会社宮岡

医療器具の洗浄・梱包・保管・配送をワンストップで対応。

クリーンルーム環境と独自の品質管理で、医療現場の安全を支えます。